H24年7月号 天衣無縫

H24年7月号 天衣無縫

=第180号 平成24=年7月号=

熱中症について

今年の夏は、例年にもまして暑くなると予想され、また原子力の大事故に伴い、全国での電力不足が加わり、熱中症が増えるのではないかと危ぶまれています。

熱中症は以前は、日射病とか熱射病とか、色んな呼び方がありましたが、ここ10年程前より熱中症という病名に統一されました。

1)熱中症とは

熱中症は日本の夏のように高温・多湿な環境(家の外と内を問わず)で水分や塩分を補給しないままにしておくと、脱水がおこりそれとともに、体温が上昇し血液循環が低下して血圧が下がり手足や腹の痙攣、頭痛や気が遠くなったり、重症の場合は体の中の重要な臓器の機能が全て障害され、死の危険に至ることもあります。

自力で水分をとれない乳幼児、のどの渇きの感覚が低下している高齢者、前日に飲酒をした場合、睡眠不足、朝食を抜いている人、下痢や脱水状態の人には起こりやすく、元気な人でも暑さの中で運動や作業を続けた場合にも起こってきます。

2)熱中症の治療

治療の原則は、冷やすことと脱水の改善です。日陰に移し服を脱ぎ、体の表面を水でぬらして風を送って出来るだけ体の表面を冷やすようにします。

血圧が下がって気を失っている場合は両足を台にのせて高くして出来るだけ血液が頭に行くような体位にします。

熱中症の脱水は水分とともに、塩分も失われていますので塩分を含む水分の補充が必要です。

ただし、スポーツドリンクは浸透圧が高いので少し水で薄めてやりまた経口補水用のOS-1などを飲むと良いと思います。しかし38℃以上の高体温や意識が障害されている人はただちに病院へ運び点滴,その他の治療が必要となります。

3)熱中症の予防

エアコン、扇風機、日よけ、打ち水などで高温多湿をさけましょう。

睡眠は充分にとり、朝食もしっかりとり深酒をしないようにしましょう。

服も通気性や透湿性の高い物(クールビズなど)を着て、運動するときは運動前から薄めのスポーツドリンク、あるいはスポーツドリンクと水を交互ぐらいに、のどの渇きと関係なく定期的に飲んで脱水の予防に努めましょう。

脱水の予防のめやすは、日中は、のどの渇きがなくても2時間に1回は充分にしかも透明な尿が出るように保つことです。

平成24年6月 浦田 誓夫