H24年5月号 おしゃべり通信

梅雨の季節 食中毒にも注意 食中毒は真夏だけではなく梅雨の季節に入る6月にも、少し涼しくなる9月にもむしろ起こりやすいものです。 病原体の中には、ジメッと湿度が高い場所や、温度が高い場所が大好きなものがあり、なかでも湿気を好む細菌が増殖しやすいこの時期は食中毒が発生しやすくなります。 ●細菌性食中毒● 食品に付着した増殖した細菌や、細菌の毒素を摂取する事で発症します。 食中毒の大半が細菌性で、特に梅雨から夏期に多く発症します (腸炎ビブリオ・O-157など) ●ウイルス性食中毒● 食品に付着したウイルスを採取する事で特に冬に多く発症します。(ノロウイルスなど) ●化学性食中毒● もともと食品に…

H24年5月天衣無縫

=第178号 平成24年5月= 不整脈(脈の乱れ)について~平成24年4月号の続き~ 5.発生性上室性頻拍 上室性期外収縮が3連発以上となり心拍が1分に 160~200回と規則正しく洞性頻脈より速く打つ不整脈です。 抗不整脈薬や心房細動で述べたカテーテルアブレーションにより除く事が可能です。  6.早期興奮症候群 突然発作的に脈が速くなりますが、非発作時の心電図が特微的な変化を示し、カテーテルアブレーションにより原因となっている副伝導路と呼ばれる部位を焼灼することで治療が可能です。 7.心室頻拍 心室性期外収縮から3連発以上となると心室頻拍(1分に100回以上)と呼ばれます。心不全や次の心室細…

H24年4月天衣無縫

=第177号 平成24年4月= 不整脈(脈の乱れ)について 心臓は生きている限りほぼ規則正しく収縮と弛緩を繰り返し、体の中の血液を循環させている『ポンプ』です。即ち心臓が止まると人は死に至ります。(稀に心臓が動いていても脳の機能が失われていると脳死とされ死亡と判定される事があります。)この心臓の動きが手や足あるいは肘、わきの下や股間部で脈として触れることが出来ます。 しかし、時に心臓は不規則に動いて、脈が乱れてくることがあり、脈の乱れは原因により治療が必要な場合が出てきます。脈の乱れは心電図(特に24時間心電図)により診断されます。 A.頻脈性不整脈(脈が速く打つ) 1.洞性頻脈 脈が規則正し…

H24年3月天衣無縫

=第176号 平成24年3月= 脳卒中について ~平成24年2月号の続き~ 2.脳出血 脳卒中の約20%を占め、主に高血圧が原因ですが他に種々の脳の血管の病気でも起こります。 脳出血の起こる部位は脳動脈の先端に近い細い動脈の動脈硬化を基盤として血管が破れ出血します。 また被殻・視床・橋・小脳といった脳の特定の部位に起こり易く、片麻痺・視神経障害・めまい・意識障害などが急速に起こってきます。 脳出血の診断はMRIより頭部CTが優先されます。 3.くも膜下出血 脳卒中の10%を占め脳動脈瘤や脳の血管奇型が破れてくも膜下腔という脳全体を取り巻くスペースに出血を起こしてきます。 これまで経験した事のな…

H24年2月天衣無縫

=第175号 平成24年2月= 脳卒中について 脳卒中は脳の血管の一部がつまり、血液循環が低下したり、血管が破れて出血して起こる脳の障害の事で脳血管障害とも呼ばれています。 脳卒中は大きく、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つの病気からなっています。 脳卒中は日本人の死因の癌、心臓病に次いで3番目を占める重大な病気です。 1.脳梗塞 脳卒中の約70%を占め、脂質異常症(高コレステロール血症や高中性脂肪血症)、糖尿病や高血圧症などによる動脈硬化症あるいは心臓疾患(特に心房細動、狭心症、心筋梗塞)が危険因子です。 a)脳血栓症 脳卒中の約50%を占め脳の動脈硬化や狭窄が原因で血栓ができ、脳の血管が詰…

H24年1月号 おしゃべり通信

冬の乾燥と予防対策 寒さも本格的になる1月~2月の時期、冷たい北風が吹く季節になり体がムズムズして背中やお腹のあたりがかゆくなったりしませんか? 乾燥した空気の中では風邪やインフルエンザウイルスに感染する原因にもなっています。 1.乾燥からのかゆみ  空気が乾燥し寒さのために、皮膚の血行が悪くなり皮脂の分泌が少なくなります。 また、部屋の中でも暖房器具を使うため肌は常に乾燥の環境の中にさらされています。 「水分」と「油分」のバランスがとれ、外部からの異物が侵入するのを防ぐバリア機能が乾燥で失われてしまうと、カサカサしてかゆみとなっていきます。 《かゆみ予防対策》 ・部屋は適度な温度と湿度を保ち…

H24年1月天衣無縫

=第174号 平成24年1月= 新年明けまして おめでとうございます 昨年は国の内外を問わず自然の大災害が起こり、政治や経済も低迷し不安定な社会情勢が続きました。 とりわけ日本は3月の東日本大震災及びそれに伴う福島第一原発事故が起こり、多数の方々が亡くなられ、また復旧・復興は端緒についたばかりの状態です。 復旧・復興には長い年月を要し、また土壌や食料の放射線汚染、莫大な廃棄物の処理や電力の減少など影響は全国に広がっており、とりわけ原発事故は収束まで30~50年にも及ぶと報道され、これまでの災害とは次元の異なる様相を呈しています。 これらの出来事で人は自然から生まれ、自然と共に生き、自然に還って…

H23年12月号 おしゃべり通信

冬の低温やけど! 寒さが厳しい冬に欠かせない暖房グッズ。簡単に温まる事が出来る優れものですが、近年、これらのグッズで「低温やけど」になる方も増えてきています。 改めて使い方や注意事項をよく知り、家族で正しく使い冬を快適に過ごしましょう 《使い捨てカイロ》 貼るタイプの使い捨てカイロは、必ず衣類の上に貼り、同じ箇所に長時間当てないこと。また、貼ったまま眠らないように注意しましょう 《湯たんぽ・あんか・電気あんか》 湯たんぽ等は、厚手のタオルや専用のカバーなどに包んでいても、低温やけどを起こしてしまう事があります。就寝前に早めに布団に入れて温めておき、就寝時には、身体からずらすか布団から出すように…

H23年11月号 おしゃべり通信

「予防接種で命を守る」 ~インフルエンザ治療に大切な事!~ 予防接種は感染症から命を守る重要なものです。 抗生剤や抗ウイルス剤でいろいろな感染症に対する治療ができるようになっていますが、一方で薬の効かない病原体が増えています。予防接種をする事でその感染症に罹らないか罹っても軽くすませる事ができるようになります。 多くの感染症は人から人へうつります。予防接種する事は、個々の命を守る事になるだけでなく、家族や周囲の人の命を守る事につながっているのです。 個人を守り集団を守る。 この2点が予防接種を行う大切な意義なのです。 インフルエンザは、すでに治療できる小児や高齢者が入院する程度の疾患という誤解…

H23年10月号 おしゃべり通信

笑って暮らそう 免疫力アップ! 10月に入り、インフルエンザの予防接種も始まりました。 冬の時期を元気に過ごせるよう、免疫力アップを行っていきましょう。 免疫を支えるものの1つに「こころ」があります。 ストレスを感じ溜め込んでしまうと免疫は低下します。みんなで一緒に笑って免疫力を上げてみませんか? 生活の中で、いつも叱られて小言ばかり言われていると大人も子供もストレスがかかってしまいます。 いつもニコニコして暮らす事が出来れば自然と免疫力も上がってきます。 実験では、腹の底から笑わなくても、顔の表情を笑ったようにするだけでも、表情筋が脳を刺激して免疫力が上がる事が分かっています。 〈楽しかった…